目次
ロゴ・看板のデザインは何故必要なのか?
●ロゴ・看板デザインはユーザーに「伝える」ためにある
「デザイン」の本質的な目的は、ユーザーに伝わりやすく、商業デザインにおいては売れるデザインを考えることが中心となります。デザイナーが商品やサービスの魅力を体感し、それがユーザーにどう伝わるかを考え抜く過程には面白味とやりがいが豊富にあります。
商業デザインは、営業や販売促進など商業に関わるデザインを指し、市場のニーズを把握し、商品やサービスが売れるようにすることが目的です。この過程でデザイナーは新しい商品やサービスに最初に触れ、体感することがあり、これが商業デザインの魅力の一環となります。
デザイナーは商品やサービスについて深く理解し、その最大のファンになり、ユーザーにとって魅力的でありながらも売れるデザインを生み出すことを目指します。そして、そのデザインが実際に売れる瞬間には、大きなやりがいを感じることができます。
商業デザインにおけるこのプロセスは、デザイナーがユーザーとのコミュニケーションや共感を通じて成果を上げ、市場に新しい価値を提供する重要な要素です。
●良質なデザインを作る指標
「BEFORの法則」は、良いデザインを導き出すための基準として役立つ法則の一例です。この法則は以下の5つの性質を表しています。
審美性(Beauty): 形や色の美しさに注目します。
経済性(Economic): コストパフォーマンスが考慮されます。
機能性(Functional): 物理的な機能性が確保されます。
独創性(Originality): 特徴的でユニークな要素が組み込まれます。
信頼性(Reliability): モノの信頼性や安心感が考慮されます。 これらの性質を意識してデザインを行うことで、目的を達成しやすい優れたデザインが生まれやすくなります。デザインは感性や好みだけでなく、客観的な基準に基づいて判断されるべきであり、BEFORの法則はその客観的な基準の一環となります。
良いデザインは、見栄えだけでなく、機能性や経済性、信頼性などさまざまな要素がバランスよく調和した結果として現れます。目的を達成するためには、デザインにおいてもこれらの法則を考慮することが重要です。
●デザインは日常で使用している
「私はデザインができないし、解らないとよく聞きますが、実はデザインは日常生活でよく使われています。例えば、挨拶の言葉選びもデザインの一環です。家族には「おはよう」、会社の人には「おはようございます」、友人や同僚には「おつかれ」と使い分けていることで、良好な関係や自然なふるまいが生まれます。挨拶は相手に対して思いやりを表すためのデザインです。
また、日常生活でも、服の選び方や電車の乗り方、話す順番など、さまざまな瞬間で対応や行動を選びデザインしています。極論的に言えば、動物や植物も生き延びるために自身の形状や特性をデザインしています。この視点からすると、この世にデザインされていないものはほとんどないと言えるでしょう。デザインは私たちの生活に深く根ざしており、それに気づくことでセンスを発揮することができるのです。
●ピクトグラムやアイコンは世界共通言語となる
特に、言語の壁を超えたコミュニケーションにおいては、絵やアイコン、ピクトグラムが活用されます。トイレのピクトや信号機のピクトなども世界中で認識可能なデザインとなります。日本では1964年の東京オリンピックで初めてピクトグラムが採用され、外国語を話せなくてもコミュニケーションが可能となりました。
デザインでは、「何を伝えるか」「どのような順番で伝えるか」「どんな速さで伝えるか」「どのような印象を与えるか」などをコントロールできます。文字で詳しく伝えるのが良い場合もあれば、絵で瞬時に雰囲気を伝えるのが良い場合もあります。また、絵と文字を組み合わせることで、情報をより効果的に伝えることができます。
●デザインスキル習得の早道は「なぜ?」を常に考える
デザインの本質を理解し、その力を身につけるためには、「何故それを買おうと思ったのか」「何故そこに行きたくなったのか」「何故好きなのか、嫌いなのか」など、深く考えることが重要です。何度も「何故」を繰り返すことで、デザインの本質を見つけ出し、役割と有効性が身に付き、いいデザインに落とし込む事が可能となり、有効に活用できるようになります。
「デザイン」と「意匠」についての解釈は多岐にわたり、一般的には見た目や形状に焦点が当てられることがあります。しかし、デザインには単に外見だけでなく、機能性、使いやすさ、コンセプト、コミュニケーション、文脈における意味など、さまざまな要素が組み合わさっています。
デザインは単なる美的な概念だけでなく、物事を計画し、形作り、創造する過程そのものも指します。具体的な製品や空間のデザインだけでなく、サービス、システム、プロセス、コミュニケーション手段など、様々な領域でデザインの概念が適用されます。
●デザインの定義
意匠法での「意匠」は、物品の形状、模様、色彩などが視覚的な美感を引き起こすものと定義されています。これは一部デザインの要素を含んでいると言えますが、デザインはもっと広範で総合的なアプローチを取ります。
意匠法での「意匠」は、物品の形状、模様、色彩などが視覚的な美感を引き起こすものと定義されています。これは一部デザインの要素を含んでいると言えますが、デザインはもっと広範で総合的なアプローチを取ります。
●デザインの持つ様々な側面
デザインには見た目だけでなく、広く様々な側面が含まれています。私はグラフィックデザイン学科で学び、広告デザイン業界で経験を積みました。企業の商品を売り上げるためのデザインや、企業のイメージ向上のためのデザイン、消費者との共感を生むデザイン、読みやすさを考慮したデザインなど、様々な要素を組み合わせてきました。
例えば、企業との広告デザインプロジェクトでは、徹底的な勉強会やヒアリングを通じて、企業の特徴やターゲット層を理解しました。たとえば「子育て世代向けのファミリーカー」の場合、車を手にすることで「幸せな家族の時間を得られる」というコンセプトを採用し、これを様々な媒体を通して伝えました(CM、ポスター、新聞広告、WEB広告など)。逆に、スポーツカーの場合は伝えたい内容や手法が変わります。
企業の問題点や課題は「車が売れない、売りたい」といったものであり、消費者の問題点や課題は「車がないと不便、幸せな家族の時間を得たい」といったものです。これらの課題を解決するためには、デザインの力が必要とされます。コピーライティングを含むデザインの力が、問題の解決や宣伝力として活かされます。もちろん、最も重要なのは商品自体の魅力であることは言うまでもありません。
●まとめ
デザインの分野は広範であり、それぞれの領域で異なる問題点や課題に対処することが求められます。ファッションデザインや建築デザイン、工業デザインなど、異なる分野でのデザインの役割は多岐にわたります。あなたが専門とするグラフィックデザイン分野において、「問題点を視覚的に解決する方法がデザインである」という説明は非常にわかりやすく、また深い意味を含んでいます。
デザインは本質的には問題解決の手段であり、デザイナーはその手段を提供する人であると言い換えることができます。美的センスや芸術的なスキルはもちろん重要ですが、コミュニケーション能力も欠かせない要素です。デザインは相手とのコミュニケーションを通して成り立つものであり、クライアントや消費者との関係構築が成功するかどうかは重要なポイントです。
依頼主とデザイナーとの関係においては、理想的な場合は対等な立場でお互いが協力し合い、一つの目的に向かって共に取り組むパートナーシップが築かれることが望ましいです。このような対等な関係があれば、より良いデザインが生まれ、両者が満足できる結果が得られるでしょう。
近年の生成AI技術により、AIツールやアプリで簡単にチラシやロゴ作成が可能になりましたが、無機質に生成されるデザインに、創業への想いは表現されずサービスを必要とするお客様にも伝わりません。shikumiは、このようなツールで作成可能なデザインではなく、人の心を動かすコンセプト設計を大切に考えています。
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